毎日のようにフレーバーを吸っているVAPE愛好家。
でしたら世界で初めて「香料」を作った人のことを知っていても損はしないはずです。




はじめて香料を作った人


今を遡ること約1千年(!)。
時代は中世。
中央アジア西南部、最古のイスラム王朝の一つ、サーマーン朝にイブン・シーナ(アウィケンナ・アヴィセンナとも)という男が生まれた。


お父さんは今で言うと税務署職員。
小さい頃から塾に入れられコーランを勉強。
八百屋には算数を教えられ、父に付けられた家庭教師の先生にはユークリッド幾何学とプトレマイオス式天文学を叩きこまれ、いつの間にか先生より知識が豊富に。

さらに今度は医者を先生にして医学だけでなく自然科学も学びだす。
気付いたら高校一年くらいの年齢で患者さんの治療までやっていた。

そんなイブンシーナも哲学については「なんやそれ・」であって、アリストテレス哲学の習得にはかなりてこずったらしい。


たぶん珍しかったから頼んでみたのだろうが、サーマーン朝の君主の治療をする機会があり、その際「おまえガキのくせにすごいな」と気に入られたイブンシーナは、王室図書館に自由に出入りする許可を得る。


勢い付いたイブンシーナ、予想通りに一気読み。
18歳には「とりあえず学問って言われているものは全部わかった」と言っちゃう凄さ。

ちょうどその後、火事で図書館は全焼。
才能の塊であるイブンシーナには当然アンチも居り、彼等はイブンシーナが放火して、知識を独り占めしたのだと噂した。


良くないことは重なるもので、それからしばらくしてガズニー朝とカラハン朝に攻め込まれたサーマーン朝は滅亡。さらに教育熱心だったお父さんが亡くなり、才能を妬むアンチは「ほれざまあみろ」とバッシングを強めていく。



(*・ω・)「潮時かもね」



イブンシーナ22歳。故郷を捨てて放浪の旅に出るのであった。



イブンシーナはホラズムという土地にたどり着き、そこの統治者マームーンに仕えることになる。
お抱え弁護士のような立場で働きながら医学書を出版。
そこで似たような天才を見つけお友達になる。
その名はビールーニー。数学者であり天文学者でもあり、それよりも筆まめであったことから凄い本を後世に残しまくった人。


天才同士どんな話題で盛り上がったのかと言えば「宇宙について」というから、もう二人とも限界突破を済ませている。


その後、サーマーン朝を滅ぼしたガズナ朝の君主マフムードから「お前使えそうな奴だから俺のところに来い」と偉そうな要請が下るが、ボスのマームーンに粋な計らいで


(*゚∀゚)「いままでありがとな、金と助手付けるから好きなところに逃げろよ」


とうまく逃がしてもらうことに。


あちこち放浪するうちに弟子が出来たり、はたまた病気持ちの偉い人を治療して気に入られたり、で、やっぱりアンチにいじめられるイブンシーナ。
でもやっぱり認めてくれる人は居て、ついには政治家(宰相)にまでなってしまう。


偉くなるとアンチの妬みも酷くなり、家が放火されたりと「さすがに身の危険を感じる」レベルに悪化。


ついには言いがかりを付けられ投獄。
阿片を盛られて財産奪われたり、ボロボロにされてしまう。
死期を悟ったイブンシーナは残った財産を恵まれない人に施したりした後、胃ガン(諸説あり)でこの世を去る。


独身であった。


彼の生涯は弟子のアルにより伝記にまとめられ、現在は貴重な資料となっている。



(´;ω;`)



イブンシーナ自身がいろいろな意味で「ざっくり」した人物で、偉い人にも気軽に話しかけちゃったり、自分の頭が良いことを自分で言っちゃうような人だったらしく、それが嫌いな人からは徹底的に嫌われるような感じだったのでしょう。決して「誰からも尊敬される人格者」っぽい人では無かったようです。





肝心の香料の抽出に関してですが、ちょうどこの時代は「錬金術」が盛んに研究されていたようです。
物質を形成する「元素」を特定すれば、その組み換えにより金だってつくれるはず、という邪な理由から流行したわけですから、いろんな物をバラしてみたり熱して調べていったりします。
イブンシーナも科学者でしたから、もちろん手は出していたのですが


(。・ω・)「金を作る?無理だろ」


と早々に気付いていたようです。頭いいもんね。
というより


(。・ω・)「金より価値のあるものは、この世にたくさんあるじゃないか!」


と否定的。
ただそこは天才なので水蒸気蒸留というのを発明して、バラから「ローズ製油」の精製に成功したそうです。これが世界初の「香料」であったとされます。
ちなみにこの「ローズ製油」は当時金以上の価値があったとされ、錬金術を否定したイブンシーナがこれを編み出したという事実が、もうとんでもない皮肉です。
これ、本人は分かっててやってましたね。きっと・・・





ということで、今回は数奇な運命を辿った大天才、イブンシーナのお話でした。






注意:この記事はJFFMA日本香料工業会の記事やwikiを元に制作しております。