VAPEの面白いところは、大手メーカーの作った大量生産品と同時に、家族経営の零細企業や個人商店のクオリティの高い商品が普通に流通しているところ。


似たようなジャンルに『模型』の世界がありますが、あれも大手(もともとは個人商店だったところも多数)の商品と、個人ビルダーの商品が肩を並べて業界全体を盛り上げています。





ガレージキットの世界



ガレージキットという名称は、マニアが休日に趣味で作ったもの、という意味合いがあります。
海外(特に家がバカでかいアメリカ)のイメージではガレージが趣味と直結しているようです。
ちなみに多くのアメリカンロックバンドもスタートはだいたいガレージから。
ボーカリストはともかく、でかいドラムセットを置いて練習するとしたらガレージが最適でしょう(スタジオが無かったのか金が無かった)。
ともかく、ガレージというのは若い男の子が悪さ(良い意味で)をする格好の場所だったのです。





趣味の域を出てしまう



ガレージキットが生まれた背景には、当選ながらガンプラを始めとしたプラモデルの一般への認知と普及がありました。
人気のキャラクター(ロボット等)のプラモデルはだいたい待っていれば発売されるのですが、あまり人気の無いものはキット化されずに終わる、なんてことが珍しくなかった訳です。


そうなると、そのキャラクターが好きな人は納得がいきません。



(  ̄ー ̄)「大手に任せておけん」



腕に覚えのある人々は、キット化を待てずに自分で作り始めたのです。中には美大出身者やら職人やらも含まれており、市販の商品と変わらない完成度のものを生み出していくことになります。
やがて彼らは集い、協力し合うようになり、ガレージキットメーカーを立ち上げます。





大手の限界に挑む



商品は「商」「品」であり、採算が取れないと分かるものは、そもそも発売されません。
キャラクターの人気や認知度がその目安でした。


しかし


とんでもない作品が登場してしまいます。
機動戦士Zガンダムの前、重戦機エルガイムを手掛けた永野護氏の漫画、ファイブスター物語です。
作中に登場するメカは非常に魅力的ではあったのですが、ディテールの細かさは病人級。しかも背面図は公開されず想像する以外に無く、登場毎に意図的に見た目が少し変えてある、名称も変更される‥あたまおかしい


読者は思います。
金なら出す。キットが欲しい。


メーカーは思います。
無理。


ここでガレージキットメーカーの腕利き達の本能に火がつきました。
こんなもんどうやって型から抜くんだ?
背面は影から想像しろと?
そもそも売価はどうなる?


この難題に不屈の精神で立ち向かったのが、ボークス、ウェーブ、海洋堂。
ファイブスター物語ショックがガレージキットのレベルを飛躍的に上げ、その後の各社の躍進に繋がったとアタクシは考えています。



※ちなみにファイブスター物語本編についてはアタクシから申し上げることはこれ以上ありません。



今もガレージキット(というより関連商品も含めた)の展示即売会が定期的に開かれておりますので、興味のある方は一度行ってみると面白いかと思います。





VAPEもやればいい



小さな市場を奪い合う、という意味で大手は複雑な気持ちかもしれませんが、VAPEについても同じように住み分けが出来るとアタクシは感じています。
ガレージキットが認知され、バンダイやタミヤがリーディングカンパニーの座から降りたとは誰も思っていませんし、大手は大手の、ガレージキットメーカーには彼等の役割があり、それは重複しないものが多いのです。


そういえばVAPEについても定期的に展示会が行われるようになってきましたね。
こうした場を真にVAPEの社会的地位の向上やマーケット拡大に活用していくつもりならば、今後は出展者の顔ぶれも変化していくのかもしれません。






注意:完全に私的な意見や認識を元にした記事ですので、内容に関して一切の責任を負いかねます。キットのクオリティに関しての言及は、個人的に購入したキットのものを参考にしておりますので、全てを確認した訳ではございませんのでご了承下さい。