注意:何も考えずにご覧ください




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部下「少佐殿、少しお伺いしたいことがあるのですが?」
少佐「何だ?手短に頼む」





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部下「自分もVAPEを始めて早一年。少佐の勧めでRBAに移行し、今はそこそこ詳しくなってきたと思っております」
少佐「良かったではないか。私も勧めた甲斐があるというものだ」
部下「そこで今疑問に思っているのが、何故いまだにメカニカルMODは危険だという風潮が無くならないのかということです」






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少佐「ほう」
部下「自分の場合は少佐のアドバイスのおかげでバッテリーの取り扱い等は充分に注意しておりますし、特にハイブリッド接続のメカニカルMODなどは扱いを間違えれば事故に繋がることも知っております。ただ、あまりにも全体の風潮としてメカニカルMOD全般を危険視し過ぎているように感じてなりません」
少佐「ふむ」
部下「危ないのはむしろバッテリーの方であり、世の中にはリチウムイオン二次電池を使っている製品は山ほどあります。何故VAPEのメカニカルMODばかりが危険視されるのでしょう?それに‥」
少佐「それに?」
部下「メカニカルを使っていると、その、初心者が調子に乗ってるとかイキっている、などと陰で悪口を言われたりもするのです。自分はただ耐久性もあってデザインが気に入ったものを気を付けて使っているだけなのに、何故こんなことになってしまったのでしょうか?自分はテクニカルMODが安全だという風潮も納得いきません。基板に全てを委ねる方がずっと危険なのではありませんか?」
少佐「なるほど。ただ1つはっきりさせておきたいのだが‥‥キミがそれを訊きたいのは、初心者が調子に乗ってイキっていると言われた腹いせか、またはそうした悪口へ対抗する為の理屈が欲しいからではないのか?」





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部下「ち、違います!あくまでこのような風潮が何故消えないのか、という疑問からです!」
少佐「ならば良かろう」
少佐「結論から言おう。メカニカルMODが危険だという風潮が消えないのは、その方がVAPEに関わる多くの人にとって都合が良いからだ」
部下「きちんと使えば安全なのに、ですか?」
少佐「安全というのは多面的に見て判断するものだ。機器そのものに問題が無くとも、使用に際しては必ず人間のヒューマンエラーが関係してくる。メカニカルMODについては購入時に製品に全く問題が無かったとしても、使用する人間側のエラーで安全性が大きく変わってくる」
部下「確かにそうです、しかしそれを言うならば自動車はメカニカルMODよりも遥かに危険です。ヒューマンエラーで命を落とす可能性もより高い筈です」
少佐「その通りだ」
部下「ですが一部を除けば自動車イコール危険だ、という風潮にはなっていません。要は使い方だということです。VAPEと何が違うのでしょう?」
少佐「大違いだ。まず運転には免許が要る。更新も数年おきにある。万一の時の為の保険も義務だ。自動車自体もメーカーが厳しい検査をして販売する。しかも車検制度がそれを補う。そもそもヒューマンエラーはあるものだという考えのもとに使用され、社会にシステムとして組み込まれている。VAPEには何がある?」
部下「‥販売店が保険に加入していたり、します」
少佐「不良品や正規の使い方で損害を負った場合の保険だ。ユーザーのヒューマンエラーを前提としたものではないのだ」
部下「では少佐殿もメカニカルMODは危険だと仰るのですか?」





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少佐「考えてみたまえ、その一文は主語と述語のみで作られている。これでは意味が通じないのだ。例えて言うならば、ザクマシンガンは軽い、というものと同じだ」
部下「バズーカと比べれば軽いかもしれませんが、モビルスーツの兵装というものは人間が使用する物と比較すれば重いと思います。なるほど、何を以って危険とするのかが明確では無いと答えようが無いということですね」
少佐「その通りだ。ではメカニカルMODにおいて事故が起きる要因を考えてみようではないか」





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部下「まずは電池ですね。スペックを偽った粗悪品は危険です。きちんとしたメーカーの製品でも抵抗値に合ったものを使用しなければ、電池に負担が掛かります。それから被膜破れなども注意が必要です」
少佐「後半はほぼヒューマンエラーによるものだな。ではMOD側ではどうだろうか」
部下「内部にワイヤー片などが入り込んだりすることでショートが起こる場合があります。それから載せるアトマイザーの種類によってはコンタクトピンが出ていなかったり、押すと引っ込んでしまうものがありますので、ハイブリッド接続はもちろんですが、510接続のMODでも場合によってはショートが起こる可能性があります。ハイブリッド接続の場合はバッテリーを入れたままアトマイザーを外せば即ショートしてしまうものが多いです」
少佐「こちらもほぼヒューマンエラーと呼んで良いものばかりだな。アトマイザーが危険の要因になる場合はどうだろうか?」
部下「絶縁材が熱で破損している場合はショートする可能性が高まります。RBAの場合、コイル抵抗値が低すぎて電池の限界を超える電流が流れれば、電池が火を噴きます。ビルドに失敗しショートした状態で使用しても同様です」
少佐「ふむ、やはりヒューマンエラーが大部分だ。絶縁体の破損の有無をチェックするのはVAPE愛好家としては当然のことだと私は思っているがな」
部下「少佐が何を仰りたいのか分かりません」






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少佐「先程、安全とは多面的に見て判断するものだ、と言ったと思う。こうして危険な要因をピックアップした結果何が分かった?」
部下「事故の多くは使う人間側の問題で起こる、ということでしょうか?」
少佐「そうだ。言い換えてみれば電池もMODもアトマイザーも、それ自体は危険だとは言えないということだ。性能や性質を理解し、適正に使用すれば事故は起きない。事故が起きないならば安全と言えるのではなかろうか」
部下「そうですね!」
少佐「当たり前のことだが、安全に使用することが出来ない製品は市場に流通などしない。間違った使い方をすると危険だが、それさえしなければ安全だという製品が世の中の大半を占めているのだ」




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部下「つまりメカニカルMODは間違った使い方をしなければ安全ということですね。ああ、でも最初に戻ってしまいました!」
少佐「メカニカルMODはヒューマンエラーさえ無ければ安全だとしよう。ではヒューマンエラーを完全に防ぐ方法はあるのだろうか?」
部下「そ、それは・・」
少佐「ひとつでもエラーを起こせば電池は火を噴くぞ。どうやって防ぐのだ?」
部下「完全に防ぐことは難しいと言わざるを得ません」
少佐「そうだ。不可能だ」
部下「おっしゃる通りです少佐」






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少佐「そういえば士官学校時代を覚えているか?夜中に抜き打ちの見回りがあっただろう?」
部下「ありましたね、ちゃんと就寝していなければならないとされておりました。本を読んだりも禁止でしたので、皆ベッドで大人しくしておりました。時々噂で明日あたり抜き打ちがあるぞ、なんてのが回ってくると何もしていないのに気が引き締まりました
少佐「では実際に抜き打ちの見回りが行われたのは何回だった?」
部下「はて、見回りがあったらしい、というのは何度か聞いていましたが、詳しくは・・何せ真夜中のことですので」
少佐「もし仮に、抜き打ち見回り自体が無かったとしたらどうだろうか?」
部下「恐らく気は緩んでいたでしょうな」







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少佐「メカニカルを危険だとする風潮は、この抜き打ち点呼と同じだ。この風潮があることによって、メカニカルMODを使う人間の気を引き締め、ヒューマンエラーを減少させる効果を狙っているのだ」
部下「なるほど、そういう話でしたら自分にも理解出来ます」
少佐「前述の通り、事故のほとんどはヒューマンエラーで起こる。そして現状その状態で起きた事故からユーザーを守る制度は無いに等しい。この風潮はそんな中でメカニカルMOD使用者の気を引き締め、事故を極力減らし、ユーザーの安全を守る為に存在しているのだ。だから風潮は無くならないだろうし、これからも存在し続けていくのだろう」
部下「さすが少佐!」
少佐「では時間だ。敵が大気圏突入の為に全神経を集中している今こそチャンスだ。第一目標木馬、第二目標敵のモビルスーツ!」



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終わり






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