VAPEを吸う方ならその名前を一度は聞いたことがあるであろう『DNAなんとか』という単語。



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DNAシリーズ』というのは、アメリカのオハイオ州にあるEvolv LLCという会社が製造するVAPE用制御基板の名称です。


制御基板を独自開発出来るVAPEメーカーは限られており、そのノウハウは一応企業秘密ですから、自社製品以外に(制限無しに)使用されることに難色を示すメーカーもあります。
EvolvのDNAシリーズはそもそも基板単体で販売される前提に作られていますので、こうした問題は起きません。我々のような末端ユーザーですら基板や周辺パーツを単品購入可能なのです。


任意の出力(W)変更が可能なVAPE専用制御基板として、創成期から業界を牽引し、新機能(TC機能など)を組み込みながら進化を続け現在に至る、というのがDNA。


現在の主力は


・DNA75(最大出力75w)
・DNA75C(75の進化版)
・DNA250(最大出力250w)
・DNA250C(250の進化版)
・DNA60(最大出力60wながらとてもコンパクト)
・DNA Go(POD型デバイス用超小型基板)


こんなラインナップ。


これらは全てWindows用フリーソフト『EScribe』を用いて細かな設定を行うことを前提に作られています。












DNA基板の評価



ハイエンド機種に多く採用されている理由は、性能面での考慮というよりも先程説明したような『入手のハードルの低さ』にあると思っています。
少数生産の製品ではコスト的にも基板製造を独自に行うことは無理があります。
高級機種に採用されている基板だから高級だ、という訳では全然ありません。



(*゚∀゚)「でも実際にDNA基板の評判って良いよね?」



DNA基板最大のウリである精密な温度管理機能病的なカスタマイズ性ですが、温度管理機能についてはEvolv社の独自の調査により『半数以上のユーザーが使用していない』という何ともふざけた結果がでています。
それもその筈で、あれを初見で完璧に扱える方は恐らく1%も居ないと思います。それくらい難解。
つまりユーザーの多くが、最大のセールスポイントを無視したまま『良い!』などと評価を下しているとも言える訳です。



( ̄∠  ̄ )「それ、信用出来るの?」



限定した使い方をしていてもDNA基板の評価が低くならない理由というのが、所謂『信頼性』です。
長年VAPEに関わってきただけあり、そのノウハウは安全面や耐久性、安定性へとフィードバックされています。
VAPEの制御基板は通電時間により必ず劣化が起こり、やがて寿命を迎える運命です。使い方が乱暴だったりすれば、それが不具合原因となり使用可能な期間が短くなることも考えられます。
DNA基板に関しては(アタクシの聞く限りでは)旧式のDNA40などでも安定して動作しているケースが多いように思えます。


また物理的なスイッチによって電流をカット出来ないテクニカルMODにおいては、安全を担うのは基板だけと言っても過言ではありません。
アトマイザーがショートした時には保護回路が働くと言っても、きちんとそれが作動するのかは分からないのです。
少なくともアタクシが知る限りでは、DNAで保護回路の作動不良による事故の話は聞いたことがありません。


つまりDNA基板最大のオススメポイントは(メーカーには悪いですが)温度管理の精度でもカスタマイズ性でも無く、信頼に足る安全性ということになるのだと思います。









まとめ



値は張るけれどサイズの小ささと高性能がウリのdicodes。外部連携や独特なインターフェースが面白いSX。高い信頼性とカスタマイズ性が魅力のDNA。
実用性に重きを置いたVO。スピードを極めたGene。コストパフォーマンスと多機能で注目のOMNI‥‥


テクニカルMODは搭載基板によって全く違った一面を見せてくれます。
同じアトマイザーとリキッドでも、使用するMOD(基板)の差によって、基本となるワッテージモードでも味が違ってくることに気付いている方は少なく無い筈です。


VAPEは我々が思っている以上に奥が深い。


アタクシ達はやっと入り口に立ったばかりなのかもしれませんね。