すでに存在しないオモチャ屋さんのアカウントとして有名だったハローマック


「ぼくはそっち(令和)には行けないんだ」


というコメントと共に事実上のTwitter引退を宣言しました(ようです)。


おもちゃのハローマック』とは靴の小売業(卸売業も)で有名なチヨダグループがかつて運営していた玩具チェーン店の名前で、一時は全国にかなりの店舗数を展開し、割と勢いのあるオモチャ屋さんだったのですが、黒船『トイザらス』の上陸(だけが原因じゃないと思いますが)に伴い徐々にパワーダウン。


店舗数は2000年時点では約400店だったが、2008年には撤退。姿を消してしまいました。


同アカウントは元従業員によるものだと考えられていたのですが、現在の靴の小売業にも関わっているものと推察されます。


定期的にツイートされる内容は、非常にネガティブなものがほとんどでしたが、必ずブラックジョークや格言的な意味が含まれており、もう存在しないお店のアカウントながら多くの固定ファンがついていました。


アタクシもその1人。



( ・∀・)「いろんな意味でお疲れ様、なんだな」









利益の出にくい商材



玩具という商材は、メーカーはともかく小売店にとっては利益の出にくいものです。
どこでも(通販含め)買えるので価格競争に陥りやすく、売り場面積あたりの効率も良くありません。
玩具だけを販売していて大儲け、なんて小売店は世界的にも聞いたことがありません。


さらに玩具に関しては、最近はやや深刻な問題があります。
玩具というものは、人気のアニメや特撮キャラの版権を元に作られることが多いので、そうした番組のスポンサーには有名玩具メーカーがつくのですが、番組自体をネット配信などで視聴する時にはCMが入らないこともあります。


そうなると、せっかくスポンサーになって番組にお金を出しているのに、作品を観る人に対して広告を見せられない訳です。CMを見ない子供は、その玩具の存在を知りません。知らなければ欲しがらない。


そして玩具は売れなくなる。
悪循環ですね。



( ・∀・)ノ「家電量販店は利益が出にくいのを知ってるのに、どうしてみんな玩具を売ってるの?」



例えば家電だけ販売していて売上が5000万円あったとして、その売上を作る為の経費(仕入れ)が4500万円掛かったとします。
利益は500万円です。
この500万円で、お店の家賃や従業員の給料、電気代などを完全に賄えたとします。



( ̄ー ̄)「家電に関しては新製品も入荷させたし品揃えも充実させたし、これ以上は売上伸びないかもなあ」



ここに仮に家電とは購買層の異なる商材を追加したらどうなるか?
例えば『玩具』です。
新しいお客さんが来るかもしれません。



( ・∀・)ノ「でもさ、玩具は利益出にくいんでしょ?」



とは言っても5000円の玩具を売ったら仕入れ額を考慮しても少なくとも数百円の差額は出ます
玩具だけを扱うお店なら、これで広い売り場と従業員の給料を賄い切れません、が



( ̄ー ̄)「家電だけで既にそれらは賄えたぞ」



ということですので、わずかな差額と言えどもそれは純粋に利益の上乗せとなるのです。


しかも客数の増加により本業の家電の訴求力も高まる。これは一石二鳥。



( ̄ー ̄)「よーし、それじゃ日用品や食品も扱っちゃおうかなー」



そんなお店、皆様の近所にもあるんじゃないですか?









まとめ


純粋な『玩具屋さん』が街から姿を消した理由がお分かり頂けたかと思います。
利益率で言えばゲームもシビア。
ファミコン時代には勢いのあったゲーム専門店が、今や何だか良く分からない業態になっていたりします。
そういえばゲームのCMは今やもれなくスマホゲーム。


玩具もゲームも、無くなりはしませんが、取り巻く情勢はかなり様変わりしてきたようです。
恐らくもう二度とあのような時代は訪れないのでしょう。


それでも玩具屋さんに通った日々や、それで遊んだ思い出は、大人になった今も忘れやしません。
少なくとも我々世代には、そうした思い出を宝物としてしまっておける、という幸せがあるのです。


元号が変わっても、それは変わらずアタクシ達の宝物です。






さらばマックライオン。
俺達の思い出の中でいつまでも生き続けるんだぞ。