部屋の片付けをしていると急にポカンとしてしまうことがあり、気付くと時間が結構経っていることがあります。


片付けをしても出てくるのはガラクタばかり(現金などは皆無)なのですけれど、そのガラクタを使っていた頃の記憶が一気に思い出されたりして、無意識に手が止まるのです。


さっきも引き出しの奥から古いシチズンの腕時計が出てきたのですが、これはアタクシが中学一年の頃に父から貰ったものです。中学生になったのだから..というよく分からない理由で手渡されたものです。まあ当時は分からなかったけれど、今にして思えば『そろそろ(いろいろなことを)自己管理せよ』というメッセージもあったのかもしれません。


この前娘の学校に行ってきました。
6月になってようやく新学期が始まったわけです。
そういえば新入社員の研修もぼちぼち行われていて、名刺交換する若い方もあちこちで目にします。
ようやく日常を取り戻しつつある、なんてニュースもやっていましたね。


ただ


この取り戻されつつある日常に恐怖を感じる人も多いと思います。コロナ騒ぎの前に学校や職場で大きなストレスを感じていた方は、再びあの苦しみを味わうのかと絶望してもおかしくありません。
中にはその恐怖から自ら命を絶ってしまう人も。


以前、娘に訊かれたのは


『何故自殺しちゃいけないの?』


というもの。


その頃と違い、今は娘も落ち着いていますが、この質問に対するアタクシの答えは彼女曰く、なかなか良かった、とのこと。時期も時期なので今回はこの話題で記事を書いてみようと思います。












自殺は悪いこと?



もうこんな辛く苦しい思いはしたくないから。
死んで楽になりたいから。
自分で自分を許せない。
これ以上誰かに迷惑んかけたくない。


様々な理由で死を選ぶ人間。


死にたいという方に話を聞くと、だいたい自殺は悪いことだと言うのですが、その後に続く言葉が特に特徴的です。



( ̄ー ̄)「自殺は悪いことだと知ってるけど、自分が死んでも悲しんでくれる人も居ないし、誰にも迷惑を掛けないなら別に構わないんじゃないかって..」



味方と思える人も居ない状態で、さらにとても追い詰められている心理状態でも少なくとも誰かに迷惑はかけたくない、という言葉が悲しいです。



※人が一人亡くなるのだから、誰にも迷惑を掛けないなんてあり得ない、という声はもちろんあると思います。
ですが、それは自殺を考えたことが無い人の理屈だとアタクシは感じます。
どんな方法を採ったとしても、亡くなるということは遺体をそこへ残すということ。それを然るべき形できちんと埋葬するまで多くの人が関わっていることは確か。ですが自殺しようとしている方からすればそれは『自分とは無関係の人間=自分を助けてはくれなかった人の一部』なのです。
ここで彼らの言う『迷惑をかけたくない人』というのは、自殺者の知人や友人、家族や親戚に限られるのです。



( ̄ー ̄)「もしも家族も友人も知り合いも居なくて、死んだ後に何も残らないとするなら..文字通り自分が消えてしまうような死に方だったとして、それでも自殺は悪いことなの?」



悪いことです。



( ̄ー ̄)「何故?」



人を殺すのは悪いことですよね?



( ̄ー ̄)「はい」



何人も何十人も、何百人も殺すのはとても悪いことです。



( ̄ー ̄)「そんなの分かってます!自殺しようとは思っても、人を殺したいなんて思ってません!」



自殺をする、ということはそういうことです。










命は繋がっている



今ここにアタクシが生きているのは、アタクシの両親が居たからに他なりません。
もっと言えばアタクシの両親が生まれてきたから、ということでもあります。


仮に父か母が出会う前にそのどちらかが死んでいたら、アタクシはこの世に居ませんでした。もちろんアタクシの子供も居ません。
生まれなかったのですから生きていない。
さらに遡れは、アタクシの祖父母が生まれなければ両親もこの世には居ません。
さらに前、そのさらに前も同様です。


命というものは繋がっていて、だからこそ今アタクシ達はここに存在しているのです。


そしてこの命の繋がりはこの先の未来へも続いていきます。命の繋がりを絶つというのは、この先の世界で生きる筈だった人を生まれる前に殺してしまう行為なのです。


さらに


人間は社会性のある生き物です。
生きているだけで、多くの他人と関わっています。
その関わりというのは本人の意識していない部分にも及びます。
もちろん直接的に顔を合わせる関わりだけでなく、ネット上だけの付き合いもあります。


こうした関わりの中で人は多かれ少なかれ、また意識無意識に関係なく、他社へ影響を与えているのです。
何気なく発した自分の言葉に勇気をもらい、明日を生きる糧としている人も居るのです。


直接的な血の繋がりが無くても、友人知人としての交流が無くとも、その人にとってはそれは重要なことであり、その人の人生やその周囲の人にとって支えとなることもあるのです。


これもまた命の繋がりだと思います。











自殺をしてはいけない理由



自殺とは、こうした命の繋がりを絶ってしまう行為です。
この先の未来に生まれてくる筈の子供達の命を生まれる前に刈り取り奪う『大量殺人にも値する行為』なのだということを理解して欲しいと思います。


まだ顔も名前も知らないとはいえ、その子達の可能性や自由、尊厳を奪う権利が誰かにある筈が無い!


もちろんあなたにも無い。


過去、それも大昔のことは分かりませんが、日本にもかつて戦争や大きな災害がいくつもありました。苦労もたくさんあったのでしょう。それを生き抜いた人
達が我々の祖先です。
中には子供の健康や命を優先するあまり、自分の命を削った人も居たかもしれません。


そうして繋いできた命をあなたがここで絶つ。
そんな悲劇をあなたの手で起こすのですか?






どんな理由があっても
自殺だけはしてはいけないのです。