いきなりですが、電車というのは乗っているだけで車窓からの景色や車内アナウンス、特定の区間の揺れなどが路線によって大きく異なります。
たぶん電車好きな方というのは、その違いすら楽しいのかもしれませんが、言ってみればその路線に乗る度に、視覚や聴覚などの複合的な体験をしている訳です。
やがて頭の中にはそうしたものがやはり組み合わさった記憶が残るのでしょう。


と言うのも


最近になって通勤に使い始めた路線があるのですが、それはアタクシが高校に通う際に乗っていた路線であり、初めて親元を離れて独り暮らしを始めた時に借りてたアパートの最寄り駅の路線でもあったりします。


普通に乗ってるだけなんですけど、前述の景色やアナウンス、特定の揺れを感じた際に、頭の中で記憶の引き出しのカギが開く感覚とでも言えば良いのか、いろいろな情報が別に必要でも無いのに思い出されます。



( ・∀・)「すごい記憶力だねー、って言って欲しいの?」



確かにいろいろ思い出しますが、その路線に深く関わって過ごした時間を考えれば、その情報量は微々たるもの。
エピソード記憶というのですが、何かと関連させて覚えた事柄は記憶に残りやすく、試験勉強などに応用可能です。今回出てきたものは、そうしたものだったと思っています。


じゃあ思い出さなかったものはどうなったのか?
思い出せた一部を除いた大部分の記憶はどうなったのか?


忘れたのですよ。










忘却の曲線



人間は忘れる生き物。
仕事柄、悲惨な体験をした方からの相談を受けることは多いのですが、別れ際に必ずこう添えています。



( ・∀・)「まずはぐっすり寝て下さい」



記憶力についてドイツの偉い人(忘れた)が実験したところ、人間とはとんでもない勢いで色々と忘れていくということが分かりました。


30分~1時間でおよそ50%
1日で約75%
1ヶ月でおよそ80%


※アタクシ個人のうろ覚えの数値です


これはエピソード記憶などではない、一般的な記憶で、しかもたいして重要とは思えない事柄についてですので、あくまでも参考データとして考えてもらえばと思いますが、それにしても1時間で半分忘れるというのは凄い。



( ・∀・)「今朝食べたものが思い出せないのはこれのせいか!」



‥‥まあ、そうかもね。


興味深いのは1ヶ月経過しても覚えている2割の内容です。恐らくは脳が『これは大事だ』と判断したものなのでしょう。








2割の中身



過去に転職を経験した何人かに同じ質問をして反応を調べたことがありました。転職の理由は職場での人間関係が上手くいかなかった、ということです。



①以前の職場で楽しかったことは?
②以前の職場で辛かったことは?



転職したいくらい嫌だった職場なのに①みたいな質問をするのは残酷だと思います。しかし回答は予想に反して割と普通。それだけ聞くと別に辞めなくても良かったんじゃないかと感じるほどです。
ランチタイムに通った洋食屋のカツレツが最高だったとか、残業の時に会社にピザを配達してもらって楽しかったとか。



( ・∀・)「じゃあ②は?」



これがまた不思議なもので、うーん、と考え込んでしまう。つまりすぐに出てこない。しかし少し待つと○○さんという嫌な先輩が居て‥‥とか、みんなの居る前で大声で上司に怒られたとか、どんどん出てきます。


これ


先程のドイツの偉い人の実験に照らして考えてみると面白いです。


A 前の職場で経験した嫌な日常があります。
B 本当に嫌な出来事もそこには含まれています。
C でもちょっとだけ良いこともあったと。


この3つのうちAの割合が最も多く、BとCは僅かだと思われます。そしてAはこの人にとって重要ではない記憶として扱われ、BとCはエピソード記憶として扱われているようです。


転職が成功し、以前の日常の記憶のほとんどを忘れてしまったので、今思い出そうとすると辛かった筈の前職の良かった部分が出てきてしまうのです。



( ・∀・)「それでも特別に嫌だったことは忘れないんだね」



そりゃそうよ。
でも思い出すのは嫌なことばかり、という感じにはならないのはいいんじゃない?








まとめ



アタクシ、最近嘘ではなく本当に嫌だなーと思うことがほとんど無くなってきました。
それを誰かに話すとだいたい



(  ̄ー ̄)「寿命じゃないの?」



とか言われます。
いや、まだ生きるよ。


人にもよるのかもしれませんが、色々な経験をして、その蓄積により、だいたい50才前後になると



( ・∀・)「考えたって悩んだってなるようにしかならないよ」



という境地に達する人が増えてくるのだとか。
そうならない人というのは、まだまだ経験不足のガキということになるのでしょうか。