先日、東京ビッグサイトでハンドメイド作品販売モール大手の「minne」の展示即売会がありました。
ちょうど別件で同所を訪れていたのですが、アタクシが見にきた展示会よりも断然勢いや活気があり、多くの女性(男性は全然見ない)が大きい紙袋やキャリーカートを手に忙しそうに歩き回っておりました。


(*・ω・)「たくさん買い物したんだね」


と思って見ていると、実はその女性の方々の多くが「出展者側」か「出展者の関係者」の方だったりします。


(*・ω・)「どういうこと?」


要するに「売り手」であり「買い手」でもある方々が非常に多く居る印象を受けました。




複雑化する商売の形



企業間取引のことを


Business To Business:B to B


と呼ぶことがあります。意識高い系用語ではないですよ。
これに対してメルカリなどで有名な一般消費者同士の取引を


Consumer To Consumer:C to C


と呼んでいます。
というわけで企業と一般消費者の取引は


Business To Consumer:B to C


となるわけです。
その辺で買い物すれば全部B to Cじゃんか、という考えもありますが、例えば販売員や販売拠点を持たない製造メーカーが、問屋や小売を介さず直接ユーザーに物を販売する、なんてイメージすれば「ああなるほど」となると思います。
メーカーから問屋さん、問屋さんから小売り店というのはB to Bですね。問屋も小売りも商品を安く仕入れたり、多く販売するルートやノウハウを持っていますが、それは企業秘密でもありますし、そんなルートは短期間で構築できないものばかりです。

で新しいけど業界の繋がりが薄い企業なんかは、仕方なくネット通販を通じて直接消費者にアピールし始めたんです。Aとかyとか楽なんかの出品者が代表格ですね。
しかも問屋や小売で掛かる経費を差っ引いた分が、メーカーには利益、消費者には低価格というメリットをもたらしたわけです。


で、これがそのうち・・


(*・ω・)「別に会社なんか立ち上げなくても、俺一人で出来るんじゃね?」


となり、こうしたネット通販モールに、個人事業主が参入してきたわけです。
参入への垣根はどんどん低くなり、ネットショップと言われる仮装店舗は増えすぎました。しかも商品だけ見れば大手が販売しているのか、個人事業主が販売しているのか区別できません。
オークションサイトなどは業者と、時には利用者である一般消費者とが入り乱れています。


( ̄ー ̄)「何とか差別化したいのよ」


今度はSNSを使いお客さんの囲い混みを図ります。
特定のファンへ向けたキャンペーンやら、相互交流が始まります。
一対一の商売に近い形です。


(* ̄∇ ̄)「もうこの人達とだけ商売すればいいや」


モールに維持費を払う必要も無くなり、ショップの代わりにSNSを使用する方々が出てきました。もう完全なC to Cです。
ただし、新規のお客さんや、何かしらのショップがあった方が安心出来るという考え方はあり、維持費無料のネットショップは残してある、というのがケースとして増えてきた感じです。


( ・ω・)「なんとなくわかる」


そして今回の展示即売会。
これはいわば


B to(C to C)


といった商売です。
企業が、一般消費者同士の取引を行う方々、へ向けた商売の形です。

一般消費者でありながら販売も行うといった方を、丸ごと抱え込もうという企業の思惑が見えた、そんな現場だったわけです。


「だから」(=゚ω゚)人(゚ω゚=)「どうした」



VAPEの場合はどうなのか


現在のVAPE(電子タバコ)の関連商品の売り方は、スタートの段階からして既に「既存の販売方法」が取られていなかったりします。
海外のカルチャーであるVAPEを、「愛好家兼個人輸入主」みたいな方が日本に持ち込み、知る人ぞ知る店やネット販売のみで商売していたようなものです。
メーカーが国内に存在しないという点で、もう既存の流通ルートに乗らないのは理解出来ます。


しかも大手、などとはっきり呼べる業者も僅かしか存在しません。
海外のメーカーは付き合いの長さより、多く仕入れてくれる方ならどこにでも口座を開きますからルートの独占も不可能です。
そういえば個人で海外から仕入れてきた機材を店舗や個人に向けて販売している方もSNS上で見かけます。でも普段は一般消費者なんですよねこれが。


たびたび問題となるクローンも一言で片付く話ではありません。
コピー、あるいはそれに準ずるもの、と明記した上で販売され、それを分かった上で購入する、ということは、VAPEに限らず大昔から行われてきたことです。
元となる商品のメーカーは無くしたいと思うでしょうが、そうはいかないことは現在の状況が現しています。
今でこそ日本でそれなりの地位を獲得したガレージキットや同人誌なども、根っこの部分で共通項がいくつもあるでしょう。


つまりVAPEという商材はもう既に、単純にBとかCとかで表せない程に複雑化した業界の中にあるわけです。


個人同士でセカンドハンズ(中古品)の販売や譲渡もネットでは盛んに行われています。
限定品の価格を吊り上げた販売なども日常的ですが、基本的には所有権の移った商品ですので、法的に言えば問題とはならない場合がほとんどです。


現在は企業として会社を起こし、店舗を構え従業員を雇いながら商売しようとする方々が、非常に苦労する傾向だと言わざるを得ません。
が、正規代理店が継続的に新規商材を流通させなければ、市場全体が成り立たないというジレンマも大きいと思います。


( ̄ー ̄)「頑張って下さい」


土壌あってこその業界、というわけです。


(*゚∀゚)「なんかわけわかんないけど活気あるね」


そうなんですよ。
要するに何が言いたいのかといえば、冒頭の展示会の勢いの差みたいなものです。
業界全体が元気良く盛り上がっている時には、中身はわけわからないくらいカオスでぐっちゃくちゃ、だったりすることの方が多いんです。


日本のVAPE文化はオリンピックまでもたないとか、いろいろ噂はあるのですが、こうして混沌としているうちに、何となくまた盛り上がってきたりするものなんじゃないかなって、少し期待しています。


アタクシはVAPEについては一般消費者でしかありませんが、今後も適度に乗っかりつつ、見守っていきたいと思っています。